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やってはいけない!しくじり間取り

せっかく家を建てるなら、絶対に後悔したくないのが間取りではないでしょうか。では、どんな間取りが後悔につながる「しくじり」間取りなのか、高断熱住宅だからこそできる間取りとは? 建て主は依頼する前にどんな要望を考えておけばいいのか?「間取りの方程式」の著者で建築家の飯塚豊さんに解説していただきました。※雑誌「だん04」から一部抜粋

住まいの生活動線や住み心地のよさを大きく左右するのが「間取り」です。
つまり、間取り次第で家づくりは成功にも失敗にもなるのです。ここではみなさんの家づくりが失敗することのないよう、「これだけは避けてほしい」という「しくじり間取り」を紹介します。

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1 . 面積配分のしくじり
「物があふれる収納なし間取り」

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延べ床面積30坪、LDK16帖、和室4帖、主寝室8帖、子供部屋6帖×2室の何の変哲もないよく見る間取り。でも、もしこの家をそのまま作ったら、リビングも子供部屋も玄関もキッチンも、収納不足で物があふれることが予想されます。原因は、全体面積に比べ、部屋面積が大きすぎること。部屋が大きいから結果的に造り付け収納スペースが確保できないのです。

部屋や収納の大きさと、家の必要坪数には以下のような関係があります。

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余裕度1.5が2階建て間取りの限界、1.8なら収納やホールなどの空間のゆとりがきちんと取れる大きさだと考えてください。上図はLDK+ 個室帖数=40 帖、家全体帖数=60帖、余裕度1.5ですから、部屋が大きすぎ。合計4帖の収納も少なすぎです。共用部が広く、収納がきちんと取れた方が住みやすいので、余裕度1.6が確保できないなら、客間や和室など利用頻度の低いプラスαの部屋をやめ、個室の帖数を小さくしましょう。主寝室、子供部屋は工夫すれば、それぞれ7帖、4帖でもおさまります。

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2 . 収納室取りすぎのしくじり
「家事楽だけどマンション並の狭々間取り」

最近は、シュークローク、食品庫、室内干しスペース、ファミリークローゼットなどを備えた家事楽間取りの要望も増えてきました。試しに、そういった家事楽間取りを延べ床面積30坪で書いてみましょう。

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収納たっぷりの家事楽間取りができましたが、1階は非居室部分が半分以上を占め、メイン空間であるLDKは14帖しか確保できませんでした。他の居室も含め、部屋のサイズはマンション並。戸建ての良さがちっとも出ていません。30坪で部屋要素14+6+6+7.5=33.5帖、余裕度は1.8なのでリビングが狭くなるのは当然です。でも余裕度1.6ならこの手の収納室を多数設けるのは無理がありますから、こういった各種収納室が欲しいなら、少なくとも収納室の分、家の規模そのものを大きくするする必要があると考えてお
きましょう。

3 . 間取りのしくじり
「諸悪の根源 中廊下間取り」

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図は、30坪の平屋ですが、玄関から伸びる廊下にすべての居室が面する中廊下タイプ。マンションの間取りと同じです。長い長い廊下は移動にしか使えませんから、単なる面積の無駄でしかありません。階数にかかわらず「廊下面積を最小限にすること」は間取りづくりの鉄則です。この例なら、A 部壁はなくても成立するはず。壁をやめれば廊下がリビングに取り込まれ、約3帖リビングが広くなるし、廊下が真っ暗になることもありません。高断熱住宅では、廊下がないワンルームに近い家の方が室内の環境は良好になります。

4 . 家のかたちのしくじり
「性能が悪くコストも高い凸凹間取り」


住宅地を歩いていると、やたらに凹凸の多い住宅を目にします。家の間取りはおそらく、下図のようになっています。部屋や階段といったユニットを廊下でつないで間取りを作ったので、どうしても輪郭がガタガタするわけですね。

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こういった家は屋根も寄棟系で無理やりかけますから、棟や谷だらけの複雑なものになって、雨漏りの危険性が増します。断熱の側面から見ても、凹凸が増えることで表面積が大きくなり断熱気密の施工が難しくなります。形状が複雑になることで当然コストもアップします。

間取りの前に家のシルエットを整理するのが鉄則です。狭い敷地では駐車場でも家の形が凹型になることがありますので、駐車場も間取りの先に決めましょう。


5 . 周辺環境読み取りのしくじり
「隣家無視の真っ暗間取り」

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一見するとスッキリ整った良さそうな1階の間取りです。北側と西側に水回りが固まってゾーニングも適切。和室や食品庫、各種収納もきちんと確保、水回りも回遊できる生活しやすそうな間取りです。しかし、大問題がひとつ。それは隣家のことを考えていないことです。

断面で見ると、こんな具合。

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リビングは南にあっても隣家の影になり、日当たり最悪です。冗談みたいな断面ですが、このしくじりパターンは、道路付けが南以外の敷地では、町中で非常によく目にします。

冬至日に1階に影を作らないようにするには、南面隣家との間隔を約8m以上とる必要がありますので、通常はこの条件なら、2階リビングにするか、吹き抜けを設けて2階上方から採光するかするのが定石です。

上記しくじりを踏まえた「高断熱住宅だからできる!正解間取りのつくり方」は「だん04」に掲載しています。

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