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住宅ローンの基本と資金計画のポイント|FPが説く高断熱住宅のススメ

家づくり、特に高断熱住宅を建てようとすると、高額の費用がかかります。資金計画には慎重になりたいところですが「住宅ローンなんて初めて」という人がほとんどでしょう。住宅ローンの基本、そして高断熱住宅ならではの資金計画のポイントを、ファイナンシャルプランナーの川瀬太志さんに解説していただきました。

無理なく返せる金額で計画しよう

予算を決めるには「いくらまで借りられるのか」と「いくらなら返済していけるのか」の2通りの考え方があります。前者は、ご自身あるいは世帯の年収から、算出された借入限度額を予算とする考え方で、年収基準といいます。後者は、月々の住宅ローン返済可能額から予算を割り出す方法で、返済額基準と呼びます。

ご主人の年収が450万円、奥様の年収150万円を合算して35年間の住宅ローンを組むとしましょう。これをシミュレーションソフトに入力します。年収基準だと、最大5283万円を借りることができます。一方、月々の返済額を9万円、ボーナス返済を10万円として試算してみると、予算は3220万円。年収基準と約2000万円の差ができますね。

ファイナンシャルプランナーとしては「いくらなら返済していけるか」、つまり返済額基準で予算を組むべきだと考えます。なぜなら、ご自身やご家族の年齢、勤務先、家族構成によって家計の状況は異なり、住宅ローンの返済に回せる金額も変わってくるはずだからです。

家を建てるなんて一生に一度だから、ちょっと無理しても――そう思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、借りられるだけ借りてしまうと、お給料が減る、奥様が子育てのためにお仕事をやめるなど、収入環境が変化したときに無理が生じます。しかも、返済計画に無理があることは、ローンの返済が始まってからでないと気づかないのです。

今どれだけ収入があって、何にいくら使っているのか、そしてお子様の教育費や、老後のための貯蓄も計算(ライフプランシミュレーション)し、無理なく返済していける金額を考えましょう。人任せではなく、ご自身で考えることが大切です。

高断熱住宅は長く住むほどお得

ファイナンシャルプランナーの視点からも、今住宅を建てるなら、高断熱(高性能)住宅にすることをおすすめします。

一般的な住宅に比べて、高断熱住宅は建築費用がかかります。しかし、費用を抑えるために性能が低い、ローコスト住宅を選んでしまうと、実は後々お金がかかることが多く、トータルで見ると高断熱住宅以上の出費になってしまう可能性が高いのです。

断熱性を高めると、光熱費が下がることはご存知でしょう。少なくとも、1カ月あたり1万円は安くなります。ここで再度シミュレーションです。高断熱にするための費用を300万円、光熱費の差を1万円/月とすると、約30年後にトータルコストがほぼ同じになります。

光熱費の総額は、住む期間が長くなるほど大きくなるので、それ以降は一般住宅よりお得になっていきます。40年後には、高性能住宅のほうがトータルで90万円安くなります。今後、電気やガスの価格が上昇しても、高断熱住宅なら上昇幅を抑えられるでしょう。

また、高断熱住宅は、壁の中や床下で結露が発生しない、つまり躯体が劣化しにくいので、メンテナンスや修繕のコストも抑えられます。日本の住宅の寿命は30数年と言われますから、性能の低いローコスト住宅は、年金生活になってから多額の修繕費がかかるかもしれません。

それから「健康」というメリットも見逃せません。断熱性の高さと居住者の健康には密接な関係があることが研究によって明らかになっていますが、健康な体を維持できれば、当然かかる医療費の額は小さくなります。高齢者に多い「ヒートショック」も、室温の差が原因と言われます。断熱性を高め、室温を均一にすることは、家庭内事故のリスクを低下させることにもなるのです。

光熱費やメンテナンス費用、医療費を抑えられれば、家計の負担も減ります。みなさんの資産形成にとっても、高断熱住宅はプラスに働いてくれるはずです。

※本記事は雑誌「だん04」に掲載されています




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