jimosumu(ジモスム)
電気代がますます値上がりするってホント?電気料金の仕組みと値上がり対策
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電気代がますます値上がりするってホント?電気料金の仕組みと値上がり対策

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毎月必ずかかる電気代を気にしたことがないという人は少ないのではないでしょうか。 地域やライフスタイルにもよりますが、4人家族の一軒家で月々約2万円とすると、単純計算で年間24万円にもなります。これからますます値上がりする電気代の削減方法を、電気予報士の伊藤菜々さんに解説いただきます。※雑誌「だん09」から流用

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新電力にすれば電気代が安くなる?

電気代の削減方法は大きく分けて2つあります。1つ目は、電気代の単価自体を安くすること。つまり、現状の電力プランの見直しです。2016 年4月の電力全面自由化から、それまでは地域の電力会社としか電気を契約できなかったのが、新電力という新しい料金プランをもった会社と契約ができるようになりました。新電力は発電所や電線などの設備を持たないため、固定費がかからず、原価は電源を買う費用がほとんどを占め、ほかは電線などの設備を借りる託送費(レンタル代)程度。そのため地域の電力会社よりも安くなることが多いのです。

ですが、2020年12月後半から2021年の1月にかけて、寒波で電気をたくさん使ったことと、海外から発電の原料であるLNG(液化天然ガス)の輸入が滞ったことで、電力が足りなくなり卸電力市場価格が高騰しました。卸電力市場とは、新電力が電力を調達する市場です。

日本の電力は85%を火力発電に頼っており、原料である石油、石炭、LNGはほぼ輸入しています。もし輸入先の国と政治的な問題が起きたり、その他のトラブルで原料の輸入が滞ると、電気の原料である化石燃料の値段が高くなり、結果日本全体で電気代も高くなってしまいます。つまり新電力に変えたからといって、電気代が必ず安くなるというわけではないのです。

太陽光で自給自足
明細見たことありますか?
2つ目は、電気を買わずに、自分でつくり自家消費すること。太陽光を置き、蓄電池を設置する、または電気自動車に昼間発電した電気を貯めておくことで、外から買う電気を減らすことができます。太陽光パネルの価格は年々下がっており、自家消費モデルでは10年もあれば元が取れます。初期費用がネックな場合は、初期費用がかからず太陽光を設置してくれて10年後に譲渡してくれるPPAモデルというサービスもあります。これは施工会社や新電力会社など第三者が太陽光の初期費用を負担してくれる代わりに、お客様の屋根を借りるというものです。

お客様は発電した電気を使うこともできます。ではなぜ無料で設置してくれて電気も使わせてくれるのでしょうか? 昼間に発電した電気はだいたい使い切ることができず、10年間は余った電力を販売することで電力会社に固定価格で買い取ってもらうことができます。その権利を設置した第三者が持つことで、元を取ることができるのです。会社によってサービス内容も違うので、「PPA」で調べてみてください。私のYouTubeでも解説しています。

太陽光パネル自体には保証が20年ほどついているので、さらに10年はほぼタダで発電された電気を使用できることになります。余った電力を蓄電池に貯め、夜間に使うなどの工夫をすることで自家消費率を上げればさらにお得になります。

太陽光発電でつくられる電気は再生可能エネルギーのため環境にも優しく、経済性も良いのです。

再エネ賦課金って何?
電気を買わないことのメリットは他にもあります。お手元の電気明細をみてください。基本料金、従量料金、燃料費調整額、再生可能エネルギー賦課金ふかきん(以後再エネ賦課金)という項目がありますよね。各社によって項目の呼び方は多少違うものの、必ず記載があるのが4つ目の「再エネ賦課金」です。これはなにかというと、国が再生可能エネルギーを広める補助金の為に国民のみなさんから少しずつお金を徴収しているというもの。

電気料金

このお金は太陽光発電などの再エネ発電所で発電された電気を、国が高値で買い取るために使われています。建設途中の発電所も多数あり、発電所ができ上がり国全体での発電量がピークになるときがこの再エネ賦課金のピークになります。その単価は今後2倍くらいにもなると言われているのです。再エネ賦課金は全国一律で、電力を購入している人には一律にかかってきます。この制度は2012年から始まり、当初は0.22円/kWh だったものが、0.35円、0.75円と値上がりし、2020年度は2.98円/kWhと初年度と比べると約13.5倍にもなっていることはご存知でしたか?

このほかにも、発電所にお金を支払う制度など、みなさんの電気代が値上がりする要素は実はたくさんあります。ただそれも、電線を通さない、つまり外から電気を買わなければ課金されることはありません。つまり、できるだけ自家発電し、自家消費をすれば、自宅の電気代の上昇を回避することができるのです。

電気代は高断熱住宅にすることで削減できます
新電力に切り替えたり、太陽光と蓄電池を設置して自家消費を増やすことで電気代の削減を試みても、外からまったく電気を買わずに生活することはできません。肝心なのは省エネなのです。そこで実力を発揮するのが、高断熱住宅です。

電気代を最も使う家電のひとつはエアコンです。高断熱住宅は外からの熱や冷気を遮断するため、冬場は暖めた熱が逃げにくく、夏場は室内が暑くなりません。断熱性が発揮されれば年間通してエアコンの効きがよくなり、電気代を各段に落とすことができます。

また高断熱住宅では、冬に暖房のある部屋と浴室などの気温差がほぼなくなるため、ヒートショックを防げるなど健康にも有効なのです。

今後上がっていくことが予想される電気代に備えて、ランニングコストが抑えられる高断熱住宅で、快適で環境にもやさしい生活を送りたいですね。

YouTubeでこの誌面解説をしていただきました!
あわせてご覧ください。

★★高断熱住宅に特化したマニアックな雑誌「だん」★★



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