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エネルギーと住宅の話|どれを買えばいいの?断熱住宅の家電と設備

発電、給湯、冷暖房、蓄電、電気自動車…家庭で導入できるエネルギー設備は多様です。設置場所や予算の制約の中で、どれを買えば良いか、迷っている人も多いのではないでしょうか。それぞれのエネルギー設備の特徴を、産業技術総合研究所の櫻井啓一郎さんに紹介していただきました。

断熱は全てのエネルギー設備の基礎
断熱の悪い家は、穴の開いたバケツのようなもの。バケツに水(エネルギー)を溜めて快適に過ごすには、バケツの穴を塞ぐのが何よりも大切です。太陽電池を載せる前に、家の断熱や日射遮蔽にキッチリお金をかけましょう。万一に備えるなら、耐震性も優先度が高いです。

電気温水器は交換を。古い家電にもご注意
一昔前に流行った電気温水器ですが、最新のエコキュートやガス給湯器に比べて非常に効率が悪く(2分の1から5分の1ぐらい)、電気代もかさみます。

また古い冷蔵庫やエアコンは、最新機種に比べて2倍ぐらいエネルギーを消費する場合もあります。10年以上古いものは、更新を検討しましょう。

小面積でも大きな効果「太陽熱利用」
一般に「給湯」は、家庭の光熱費で大きな割合を占めます。それを減らすのに、「太陽熱温水器」や「ソーラーシステム」等と呼ばれる機器が役立つかもしれません。「熱」だけではあります
が、一般的な太陽電池よりも、2~3倍高効率です。使える屋根の面積が少ない場合や、給湯に使う燃料が高い場合、太陽電池よりも家計に優しいかもしれません。

どんどん安くなる蓄電池と電気自動車
蓄電池や電気自動車は、いざと言うときのバックアップに使えます。まだ比較的高価ですが、近い将来、補助金なしでも元が取れるようになるかもしれません。今のうちから、充電用のコンセントや配線を整備しておくというのも良いでしょう。

櫻井1

※写真左/太陽熱を利用したソーラーシステム
 右/電気自動車にすればガソリン代を大幅に減らすことができる

発電と湯わかしを同時に行う燃料電池

ガスで発電と湯わかしを同時に行う燃料電池は、発電時の熱を無駄なく利用するので、全体的に高効率です。停電時でもガスと水が来ていれば運転可能な製品もあります。ただ価格はまだ高めですので、他の発電・造湯手段と天秤にかけて検討された方が良いでしょう。発電時に出てくるお湯を使い切れるか、また発電コストが幾らになるか等が焦点となります。

エネルギー設備をまとめて制御「HEMS(ヘムズ)」
家庭のエネルギー設備をまとめて監視したり制御したりできる、HEMS(ヘムス)が普及し始めています。こうした製品には、接続した機器の運転時間を自動的に変えられるものがあります。例えば近い将来、太陽光発電や風力発電が増えてくると、晴れた昼間の電力料金が安くなる時を狙って自動的にエコキュートを動かしたり、電気自動車を充電したりすることが当たり前になると思われます。

日本では電力市場がまだそこまで柔軟ではなく、対応した製品も少ないのですが、今後の電力事情の変化に備えるならば、HEMS に対応した家電の方が有利かもしれません。

家庭のエネルギー設備

太陽光発電は最後に検討すればOK
太陽光発電は家一軒分(3kW)で1億円以上した時代もありましたが、現在はその100 分の1ぐらいの価格になり、金銭的な元も取りやすくなりました。停電や電気代値上がりへの対策にもなります。一方で壁の断熱等に比べれば、後からの追加も比較的容易です。資金的に厳しい場合は、まず耐震性や断熱の強化、電気温水器の置換、古い家電やエアコンの更新を優先しましょう。

駆け足でご紹介しましたが、住宅用のエネルギー設備は長い間利用し、金銭的な影響も大きいものが多いです。それぞれの特徴を把握された上で、慌てずに検討されることをお勧めします。

※この記事は雑誌「だん04」に掲載されています


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