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職人の心意気~伊礼智の住宅設計作法Ⅲ「心地よさの ものさし」より「福島の家」設計時のこぼれ話

住宅建築で大人気の建築家の伊礼智さん。今年発行した「伊礼智の住宅設計作法Ⅲ 心地よさの ものさし」では、8つの住宅の設計のポイントや写真・図面などを掲載していますが、それぞれの住宅を設計されたときのこぼれ話からも、伊礼さんの魅力や設計時に悩んだことなどがうかがえます。今回はその中から「福島の家」のこぼれ話を全文掲載します。

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「福島の家」はカバーの折り返し部分にも写真があります

設計の最初の一手は何か? と聞かれれば迷わず「ガレージ、カーポートの位置」と答えます。普段、車を使う人にとって車の出し入れ、車を停めた位置からの動線が住宅設計のすべてを決めると言っても過言ではないからです。つまり、住宅設計は暮らしの動線を設計することと言い換えてもいいのです。それほど、「駐車の位置取り」は「間取り」の中で真っ先に考えることなのです。

この家では南道路に張り出すように位置し、道路からバックで納めやすいようにしています。ガレージで母屋のプライバシーを守るように配置し、ガレージから雨の日も傘をささずに玄関にたどり着けるようにしました。

予算の関係でガレージの中は珪酸カルシウム板の無塗装としました。バックヤードと割り切っていたのですが、大工さんのこだわりで見事な割り付けで美しい仕上がりとなりました。設計ではコストダウンのつもりでしたが、無塗装だからこそ、素地のボードを綺麗に割り付けなければと、職人に気をつかわせてしまいました。反省しつつも、職人の心意気に感動した忘れられないガレージとなりました。

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