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江戸硝子の繊細な美しさに魅せられて—現代の暮らしに調和する美と機能性

現代の暮らしの調和する美と機能性光をまとい、繊細にキラキラと輝く。宝石にも似た華やかな美しさを日常使いで楽しめるのが、硝子製品の魅力です。日本の硝子は、江戸時代にオランダやポルトガルから伝わった製造技術に日本の美意識が融合して、独自のデザインを開花させました。それが江戸切子に代表される「江戸硝子」です。

江戸切子_img

花の蕾のようなやわらかで優美なフォルムに
伝統的な切子を組み合わせた「karai 花蕾」シリーズ

150年の歴史を誇る江戸切子の典型的な紋様である「籠目(かごめ)」「七宝(しちほう)」「市松(いちまつ)」「菊花(きくか)」「麻の葉(あさのは)」「矢来(やらい)」など、欧米にはない江戸っ子の粋を今に伝えるシンプルでシャープなデザインなどで、国内のみならず世界中の人々を魅了し続けています。

2002年に東京都伝統工芸品、2014年には経済産業省指定伝統的工芸品として指定された江戸硝子。江戸時代からの製法を守る「一般社団法人東部硝子工業会」で認定された窯元でつくられた製品のみが名乗ることができる称号です。現在、江戸硝子を製造できる窯元は、個人を除くと東京と千葉に6社のみ。そんな窯元とともに江戸硝子の伝統を守っている廣田硝子の創業は1899年。東京で最も歴史のある硝子メーカーのひとつで、2020年度ロングライフデザイン賞を受賞した、もれない醤油差し「元祖すり口醤油差し」の会社です。

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廣田硝子の前身である「廣田硝子店」を開いた初代は進取の気性に富む人物で、ランプシェードを皮切りに、硝子食器類や牛乳屋、ビール屋のコップなど、当時の生活では最先端の商品を他社に先駆け数々開発してきました。戦後、大量生産が主流になる中、人の感性に訴える、ぬくもりのある製品をつくっていきたいという思いから、一貫して手づくりにこだわり続けています。4代目の廣田達朗さんは「硝子が持つ美しさと、道具としての機能性、現代のインテリアに調和する製品づくりをして、江戸硝子の魅力をもっともっと皆さんにつたえていきたいですね」と話します。

レトロでモダン、日本独自の美を追求

手づくりである江戸硝子は、同じデザインであっても、色の出方やフォルムは一つとして同じにはなりません。だからこそ、自分のものが一番美しいと愛着もひとしおです。

脈々と受け継がれる手仕事による伝統的製法を継承してきた廣田硝子。最大の強みは、創業より伝わる貴重なデザイン資料など、長い歴史の中で蓄積された情報と技術です。扱う商品は800点にものぼり、新商品の開発と共に、明治・大正時代に大流行し、その後途絶えてしまった工芸硝子「乳白あぶり出し硝子」や戦後の輸出品だったグラスの復刻版といった商品にも力を入れ、高い評価を得ています。

「大正浪漫シリーズ」と名付けられた市松や水玉模様の乳白あぶり出し硝子は、グラスやキャンドルスタンドなどさまざまに使われ、廣田硝子を代表するデザインとなっています。復刻グラスは、50年代、日本が培った硝子加工技術が独特の個性的な硝子を生み出し、欧米諸国に盛んに輸出されていたときのもの。当時のカタログの中から、今の生活に使いやすいものを選び、東京復刻硝子「BRUNCH」シリーズとしました。

大正浪漫硝子フルートワインイメージ

「大正浪漫」シリーズのフルート型のワイングラス

「日本でしかできない技法や歴史的、文化的背景を持った硝子食器。そういうものがあることを知っていただくのも社会的な意義があることだと思っています」と廣田さん。物語の中にある美しい和の硝子。身近に置けば、暮らしに彩りを与え、日々を豊かにしてくれることでしょう。

切匣イメージ

伝統的な紋様を施した小物入れ「江戸硝子シャーレ」

TOWAイメージ

「TOWA」シリーズ。大正浪漫硝子が使われているタンブラーと鉢

廣田硝子
【すみだ和ガラス館】
住所:東京都墨田区錦糸2-6-5
開館時間:火曜ー土曜 営業時間11:00ー17:00
休館日:日曜・月曜・祝祭日及び夏季・年末年始休館
【すみだ江戸切子館】
住所:東京都墨田区太平2-10-9
開館時間:火曜ー土曜 営業時間10:00-17:00
休館日:日曜・月曜・祭日及び夏季休暇・年末年始休暇

上記の記事は「和モダン13」内の特集・和のある暮らしに掲載しています。そのほかにも、和の空間にあう小物を紹介していますので、ぜひご覧ください(^^)/

「和のある暮らし」はこちらでも紹介しています(^^)/



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